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看護師の転職は何年目がいいのか

看護師の転職時期についていつがいいのか、経験年数ごとにメリット・デメリットを考えてみます。

目次

全ての経験年数に共通する転職時期の大前提

退職・転職によるメリットの大前提は、以下の2点です。

  • 退職・転職により、自分の健康を維持できること
  • 退職・転職により、自分の生活を維持できること

退職・転職理由は人それぞれなので一番良い時期などありません、自分の好きな時に転職するのが一番納得いきますし上手くいきます。退職時期についても、ボーナス時期がいいのか、年度末がいいのか悩む人はけっこういますが、結論、いつでもいいです。税金や雇用保険のことなどSNSでお得情報が出ておりますが、体調やお金や家族など自分の事情に合わせて退職するのが一番です。

 看護師経験年数による特徴を考えると、個人的には同じ場所で3年は働くほうが同じ「しんどい」を経験するにしてもしんどさをミニマムにできるような気がするので、以下に1~3年目ごとに転職メリット・デメリットを分けました。転職先での応用を考えると、3年、5年くらいが節目で、その後は「好きにせい!いかようにもなる!」と思ってます。

 私は5回以上職場を変えて、そのたびに年収も上げてきた経験上、退職・転職は損得の問題ではなく「どんな人生を送りたいか」の問題だと思います。職場が嫌なだけではなく、看護師の仕事自体が嫌な時もあるし、結婚による転勤や妊娠・出産・育児、介護などもあるからです。ですから目先のお得情報に惑わされることなく、自分の人生を考えて、今後の看護業界の動向や日本経済のことも視野に入れながら賢くキャリアデザインしましょう。
 

1年目で転職する

メリット

  • 転職時期が早いほど新しい職場で質の高い教育を受ける期間が増える
  • 例えば8月に辞めて9月から新職場に行くとしたら、同期との遅れは約半年、追い付くのも結構しんどいから、1年目で転職するなら早いほうがお得
  • 中途採用された中堅看護師と入職がかぶると、連帯感&未熟さゆえの可愛さで色々教えてもらえることがある

デメリット

  • すぐ就職しないで働かない時期があると、新人教育は最初から受け直しになる
  • 病院によって新人教育方法が違うので、習ったこと・習っていないことが混在し、受ける教育に「抜け」が生じやすい
  • 新しい職場はすでに新人同士の人間関係ができているので、強い味方である「新人の連帯感」は味わいにくい

デメリット回避方法

新人に限っては、その組織自体が嫌でないなら、

  • 一旦休職し来年度から再度新人教育を受けるほうが楽な時もある(新しい人間関係になるし、自分も元気になってるから)
  • 退職せずに1年目で病棟や部署を異動して環境を変えて、同じ質の新人教育を継続して受けるのもあり

2年目で転職する

個人的には、1年目より2年目は精神的にかなり楽になるので、頑張れるのならリーダー業務を身に着けるまで続けてみて転職したほうが転職先で楽だと思います。でも無理は禁物です。

メリット

  • 新人教育は受けているので看護師として超基礎は習得できている
  • 若いので(若いなら?)体力・気力・柔軟性は高い
  • 中途採用された中堅看護師と入職がかぶると、連帯感&未熟さゆえの可愛さで色々教えてもらえることがある

デメリット

  • 1年目の診療科と違う診療科になると、病態生理・治療・看護はゼロから覚えることが多すぎて大パニックになる
  • オペ室、ERなど専門性の高い部署にいた場合、違う部署への転職はかなり負担が大きい
  • 新人じゃないという扱いを受けるので、1日の患者受け持ちを一人でこなせないと辛い
  • 職場が変わるので人間関係・物品の位置・カルテ操作などは全て最初から覚えなおしなのでガッツは必要

デメリット回避方法

  • 転職先は1年目と同じ診療科にする
  • 転職先は1年目より忙しくない職場にする(急性期から慢性期にしたり、病院から施設にしたり工夫)
  • 転職しないで、1年目と同じ組織内での部署異動を選ぶのもあり(変化の要素を最小限にする)

3年目で転職する

3年目以降は病棟リーダーやプリセプターなど、ベッドサイドケア以外の経験があるかが大きな違いになる印象です

メリット

  • リーダー業務経験者であれば病棟運営の視点があるので、転職先でも看護業務の回し方はすぐにおさえられる
  • リーダー業務経験者であれば、転職先では重宝されてウェルカム状態
  • 大きく方向転換しない限り、転職先の看護業務は一通り対応できる

デメリット

  • 病院から施設、病院から訪問看護、大病院からクリニックなど、大きな方向転換は未経験項目が多いのでタフさが必要
  • 3年経験があると思われて、今までより責任が重い仕事がふられる可能性はある(夜勤で自分がTOPとか)

デメリット回避方法

  • 経験項目を具体的に伝える(きっと未経験項目は自分も知らないので何を伝えたらいいのかわからないから)
  • 転職先の診療科の病態生理・治療・看護は早くからある程度調べておきましょう

転職先が知りたいあなたの情報

  • 病棟リーダー業務経験(ベッドコントロール、入退院調整、麻薬劇薬の取り扱い、指示受けなど)
  • プリセプターなどの教育経験
  • 看護研究経験
  • 転職先の診療科の主要看護経験(例:循環器なら心電図・ペースメーカー・アブレーション・心カテなど)

4年目以降で転職する

1~3年目との違いは、病院・病棟運営、教育、研究の能力がどのくらいあるかです。看護能力は履歴書にある職場と勤務年数で推測できますが、管理・教育・研究能力は推察しにくいですし、この能力によって配置や役割が変わるので転職先にとっては重要な条件となります。 

メリット

  • 一通りの経験は十分だから怖がらずにチャレンジできる
  • 病棟リーダー業務や院内委員会を経験していると転職先で看護業務を把握しやすい
  • まずますの退職金はもらえるので退職後にちょっとゆっくりできるかも

デメリット

  • 病院から施設、病院から訪問看護、大病院からクリニックなど大きな方向転換は、自分の考え方の転換も必要になるのでストレスになり、柔軟な適応力が求められる
  • 「今までの職場の考え方・やり方が抜けないから教育しにくい」と言われがち
  • 経験があると思われて、今までより責任が重い仕事がふられる可能性はある

デメリット回避方法

  • 既存知識があるので教育しにくいと言われても、そんなの当たり前なので気にしない
  • 教育しにくいのは先方のスキル問題もあるし、そもそも知っていて雇用するのだから正々堂々&謙遜な態度でいる
  • わからないことや未経験なことは、正直に迅速に申し出る(これが一番大事)
  • 転職先のおかしな風習も一旦受け入れて、必要とされるときに改善する(そうなっている歴史や理由が必ずあるので尊重する)

お局ナースも転職先では必死

 ずっと同じ診療科や病院で勤務した人はその道のプロである反面、他のことはド素人です。でもそれは当たり前なので恥ずかしいことではないと知っておき、自信をなくさないようにしましょう。大切なことは「知らない」と言えること、それが自分の未熟さから患者を守る方法です。そしていつでも謙虚な気持ちで後輩から教わる。私なんて20年たっても知らないことのほうが多いですし、もはやついていくのも必死です。いっつも「それ何?」って聞いてます。

 でもありがたいことに「すごいですね」と労ってくれたり相談されることのほうが多く、逆に私の失敗を指摘しにくい雰囲気にさせないように注意が必要です。解剖生理学や治療・看護の基本をおさえておれば、物や方法が変わっても応用できますし、看護のクオリティは経験年数分豊かであることに変わりありませんので、凹まずボチボチ頑張りましょう。転職先でわからないことが多いお局ナースにも、後輩に分かつだけの積み重ねた経験があります。患者さんと紡いだ経験って本当に財産ですね。

 退職金ですが、あと1年で8万円から10万円だったのに!とかならないように職場規定を確認して転職してくださいね。だいたい10年節目で桁が変わることが多いみたいですよ。

皆様、自分に合う職場と働き方に出会えますように。

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