看護師が派遣社員として働くときは派遣会社をどこにするか迷いますよね。私も実際利用したことがありますし今も複数登録していますが、今回は「どこが良い」ではなく「選び方」について検討してみます。
派遣会社を絞るSTEP
- 比較するために1つは求人が多い大手に登録
- 登録はたいてい無料
- 個人情報の登録は氏名・電話番号・メールアドレスなど
- 派遣会社にとって自分は「お客さん」です。マナーを守りつつ、自分の要求は正確に伝えましょう
- 電話が嫌なら最初に伝える:私は「電話出れません、用事あるときかけます」と伝えてます
- 「日中の電話は保育所からの子どもの急変と間違えるからかけてほしくない」とか
- 「勤務先や職歴は面接決めるまで登録したくないので、今は専門分野だけ登録したい」など
- 必要な時に必要な情報を提供するのは当たり前ですから、相談です
- 求人をみて「自分は何に興味があるのか」を探りましょう
- 給料、勤務地、勤務時間、勤務期間、職務内容などで、優先順位を決めましょう
- 例えば、実習指導など教育系求人に強い会社とか、有料老人ホーム(つまり大手企業案件)に強い会社とかがあるので、自分のニーズに強いところを選びます
- インスタグラムで派遣会社の傾向を発信する人もいるので活用してみましょう
- 派遣会社を2つくらいに絞ったら、担当者を決めてもらいましょう
- 担当者との相性が悪いと互いに職場を決めにくいので、会社を絞ったら、自分のことをよく理解してくれる担当者のほうを選ぶのも得策です
派遣会社を選ぶ時の注意点
仕事についての基本情報を確実に提供してくれる派遣会社を選びましょう。特にこれから長く働く職場を探している場合、必ず基本の確認事項に答えてもらいましょう。答えてくれないのであれば自分で施設に直接面接を申し込めばいいわけで、それなら派遣会社に登録する意味がないですよね。
基本の確認事項
賃金(給料)
- 時給:超過勤務になった場合の時給、土日祝日の時給、オンコール業務の場合は賃金はどのように加算されるかなど
- 給料:基本給、昨年度ボーナス実績、諸手当も提示してもらう
労働時間
- 労働時間:カルテからの情報収集や内服セットなどタダ働きが含まれていないか、夜勤明けの病棟会・委員会などはどのような扱いになるのか
- 準備時間:更衣室などが遠いと結局早く出勤するので時給で働く人にはもったいないため、気になるなら聞いてみる
年間休日
- 年間の有給休暇日数や繰り越し可能な日数、昨年度の有給消化率の実績
- 休暇はいつどのくらいとれるのか具体的に聞いておくほうが長く働けます
- パートでも有給休暇制度が使えるところがあるので聞いてみましょう
- 半休、時間休の有無も結構便利なので大切です
雇用保険
- 正職員は必ず入りますがパートでも条件により対象となります
- 雇用保険加入期間は、病気で働けなくなった時に給付される傷病手当金や、失業時の失業保険の対象となる場合があるので結構重要です。条件を確認しましょう。
交通費
- 職場までの交通費はもちろん、患者さんや利用者さんとの付き添いで移動が必要な場合はそれらが自腹にならないか確認してください
- 夜勤をする場合、車通勤が可能かや駐車料金がいるかなども大きい出費ですので確認を。
休憩場所があるか
特に夜勤の場合は「横になって休める場所」があるかないかは重要です
看護師賠償保険
- 職場で日本看護協会の看護職賠償責任保険制度に入るのか、民間の保険に入るかなど、賠償保険制度を確認しましょう
- 時折、小さい病院では賠償保険制度について説明がない時があり、無保険状態で看護していることがあります
看護師自身の安全確保対策
単発バイトは「今までの経過がよくわからない」宿命があるので注意が必要です。老人ホームや訪問看護などで、とくに自分一人で看護をする環境の場合、トラブルに対応してくれる上司が現場にいませんので、緊急時の相談先、責任の所在を明確にして働くほうが安心です。実際に、毎日来訪する面会者がある日看護師を殴り、再発防止策の話し合いがされていないまま、その翌日の夜勤に事情を知らない単発派遣看護師が管理職不在の状態で一人で夜勤に入ることがありました。
派遣会社の知る人間関係情報について
長く病院を担当しているエージェントさんは内情を知っていることがあるので「人間関係いいですか?」は聞くとよいです。しかし人間関係の良い悪いの基準は難しいので、私は「人間関係がいいのはなぜだと思いますか?」と聞くことが多いです。そうすると「ママナースが多いので助け合いの精神が根付いている」とか「ベテランナースが多いのでなんでも大目に見て長い目で育ててくれる」など違う側面の話が出てくることがあります。また、求人が出続けているのは働き続けにくい何かの理由がありますので「私の前の人はなぜ辞めたのですか?」と聞くようにしています。
人間関係は変わります。人が動けば関係も変わるので、永遠に人間関係が良いこともないし、永遠に悪いこともありません。働きやすい職場は、そこに集った人たちで少しずつ作っていく側面もあり、組織や上司が一方的に作ってくれるものではありません。でも組織自体の特徴や経営陣の方針はスタッフには変えられないので、耐えられないくらい悪いところは自分から去るのも1つの選択肢です。あなたには看護師免許があるのだから!