看護師で病院を退職した人や大学院生などで一時的にアルバイト生活する人向けに、実習指導でアルバイト生活をした1年間の体験を紹介します。
実習指導バイトのみつけかた
派遣会社に登録する
登録して看護学校とか教育指導などのカテゴリで検索すると出てきます。人気だとすぐなくなるので担当者に個別でお願いしておくほうが無難なときもあります。教育経験(実習指導者や新人教育などでもよい)があればPRしておくと、優先して声をかけてもらえるかもしれません。
大学教員や大学院生の知り合いに声をかける
派遣会社に募集を出さない学校はたくさんあります。関西では教員間で直接知り合いを探すことが多いので、情報を持っている人に「実習指導のアルバイトあったら紹介してほしい」と言っておくといいです。
実習指導バイトの仕事
仕事の時期と時給
大学の場合は
- 夏が1~2年生の基礎実習で1か月くらいの雇用
- 秋から冬までが3年生実習で最大半年雇用
- 時給は大学により1600円~2000円が相場です。
- 時給2000円超えると高時給です。
- 私の最高時給は2,500円(これで1か月働くと手取り30万こえる)
仕事内容
臨地での仕事
学生の実習引率と実習指導で、8:30~16:00勤務がほとんどです。1年生の病院見学実習では、指導者の後ろについて回る学生を注意散漫にならないか見ているだけの時もありました。2,3年生は看護展開や病棟ケアに一緒に入って指導することもあります。基本的にずっと実習病院か施設にはりつきです。
大学での仕事
大学で実習の前後と期間中に学生に指導する仕事で、9:00~16:00の間で指定時間だけ呼ばれて働きました。大学によっては実習前から学生の様子を把握してほしいということで、実習前のオリエンテーションにはすべて参加し、実習前の準備のために行われる看護計画の立て方や関連図の書き方の授業や、挨拶の仕方や身だしなみの整え方の授業に参加することもありました。実習期間中の学内日は大学に出勤し看護計画の修正などを指導しました。実習終了後も、授業後のまとめの会のワークを指導したり、実習成績評価をつけたり、教員や病棟によって評価の偏りがないかチェックする会議に出席するときもありました。学内日の出勤がマストかどうかは大学によりますが、こちらの都合に合わせてくれることが多かったです。交通費が出るとはいえ、たった2時間などのために出勤すると時給で働く身には稼ぎが悪いので、出勤したら長く働くほうがいいです。
実習指導のバイト生活リアルな1年間
1年間バイトで働いたときは、実習指導バイトだけでは食べていけないので老人ホームやイベントナースの仕事を掛け持ちしていました。平日は実習指導バイト(時給2,000円)週末は老人ホームの夜勤(1泊30,000円)かイベントナースの仕事(時給2,000円以上)で、日曜日か祝日の週1日だけ完全なオフになります。
基本の1週間
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
午前 | 実習 | 実習 | 実習 | 実習 | 実習 | 夜勤明け | |
午後 | 実習 | 実習 | 実習 | 実習 | 実習 | ||
夜 | 夜勤入り |
月曜祝日で稼ぐ1週間
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
午前 | 夜勤明け | 実習 | 実習 | 実習 | 実習 | 夜勤明け | |
午後 | 実習 | 実習 | 実習 | 実習 | |||
夜 | 夜勤入り | 夜勤入り |
月曜日祝日の場合、土曜日の明けで帰って寝て、夜に夜勤入りすることもありました。そのほうが利用者さんの様子もわかるし、日曜日明けで月曜日が完全オフになるので2連休になって気楽です。
掛け持ちバイトの鉄則
掛け持ち先は、自宅に近く遅めの夜勤入り
こういうシフトを組むには鉄則があって、自宅から夜勤場所が近いこと、夜勤入り時間が18時以降であることの2つが必要です。私はその時、自宅から徒歩圏に施設があったのですごく楽でした。実習病院から近い施設で働くのもありだと思いますが、実習って病院が固定じゃないときもあって、時期によってA病院に行ったりB病院に行ったりしますし、実習がない時期は仕事がないので施設の日勤バイトに入れてもらうときもあったから、やはり施設は自宅から近いほうが便利でした。また、実習指導後の夜勤入りになるので、16時半入りは無理です。
実習指導を残業ゼロに
夜勤に遅刻したらいけないので金曜日は絶対に残業できません。だから学生に「先生金曜日夜勤入りやから速攻帰る。だから質問は15時までに全部集めてや~。」って言ってました(笑)。そして週末にハプニングが起きないように木曜金曜は超集中してトラブル予防策をはってましたね(笑)。仕方ない時は遅刻覚悟ですが、そもそもバイトの手におえないことは正規職員の教員が対処するので長すぎる時間延長にはならないし、奇跡的に1年間そういうことは1回も起こりませんでした。きっと学生が協力してくれたんだわ。金曜日「行ってらっしゃーい」て言われてたから。
体力仕事を少なめに工夫する
私は体力がないほうだけど、実習バイトはそんなに体力を使う仕事ではないので全然大丈夫でした。しかも夜勤バイトも看介セパレートといって、介護は介護福祉士が全部する施設だったので、看護師の体力系仕事がなかったのです。また、夜勤入り時間が遅いため、夜の注入(経鼻栄養など)は全部終了してから申し送られるので、自分は夜寝ている患者さんの吸引と内服セット、眠剤与薬、朝の注入と食事介助だけで良かったのです。バイト掛け持ちの時は体力系仕事が多いと続かないので、「勤務時間内の仕事」を考えてバイト先を選ぶのがコツだと思います。
1か月の手取り金額
この2つのバイトの掛け持ちをすると手取りが38~40万くらいになります。そこから健康保険と年金を引くと30万~35万になり、さらに住民税が引かれて30万とんとん残ればいいところです。最高時給2,500円で実習バイトだけで月の手取り30万を超えたときも、他にバイトしてなかったから生活費は25万を切って節約生活でした。住民税はみんな前年度の所得に課税された税金を払うので、正社員を辞めた翌年は住民税は高いままなのです。(例えば2020年の所得に対する税金は2021年に払っている、ということだから、2020年は正社員で2021年度はアルバイトだったら、2020年の稼ぎ良かった時の高い税金を2021年バイトの薄給の中から払うということです。)
実習がない時期のバイト
基礎看護実習に行くと、領域実習にも誘われて、1年間ずっと雇用されるときもあります。そうなるともはや1年間実習ばっかりの専属雇用なので、非常勤助手みたいな扱いをしてくれる時もあります。でもそうでないときは、実習のない時期は、夜勤で働いている老人ホームの日勤にヘルプで入ったり単発の仕事をしていました。単発の仕事とは、集団検診、期間限定の採血室バイト、修学旅行についていくナースの仕事、プライベートナースといって自費でナースを雇う方の仕事とか、結構いろいろな仕事があります。そしてそこで仲良くなると次も声をかけてくれて仕事が入るようになったりするのです。
ということで、皆様、組織に属していた時の福利厚生(会社が健康保険を半分払っている、雇用保険を半分払っている=失業したら失業保険給付金がもらえるなど)はとても有難いことでして、自分で賄うにはコスパ良く働かないと生活の質は維持できないし休みもありません。お時給で働くときは、時給の安いところで働くのはお勧めしないし、自宅から遠いのも時間の無駄遣いなのでお勧めしません。
でも、気楽。最高です。私はとても楽しかったです。