看護師勉強会や報告会のスライドをAIを使って作成する方法をご紹介します。記事のレベルは初級編で、AIに興味がある人が概要をつかむのに役立ちます。現時点でAI作成スライドは追加修正が必要ですが、かなりの時短になりますので、特に看護師管理職、看護教員には使い方次第で仕事効率化爆誕です。
AIによるスライド作成のメリット
スライド作成は構成とデザインの2側面がありますが、どちらもAIが手伝ってくれます。構成に迷う時はAIを話相手のように使って構成のアイディアを出してもらえますし、デザインに至ってはPowerPointで作っていた図形・図表はAIが一瞬で作成、全部のスライドページを作ってくれます。
以下を使い分ける
- 構成は文章作成が得意なAIに作ってもらう(ChatGPT・Perplexity・Claudeなど)
- デザイン(スライド)はスライド作成が得意なAIに作ってもらう(irusiru・Gmmaなど)
- 上手なプロンプトを書ければ完成度70%くらいは期待できる
- スライドデザインはAIがするので、初心者でもスライド作成時間を50%は時短できる
AIによるスライド作成のデメリット
- 内容的に完成度100%は期待できない、追加修正は必須
- デザインテンプレートはビジネス用が多い
- 具体的なプロンプト(AIへの指示)を書く必要がある
- 情報は手入力ではなくデータ挿入でないとAIの恩恵が低い
AIによるスライド作成デメリットの解決策
- 構成は文章生成AI(ChatGPTなど)を使って作成し、そのデータをスライド生成AI(IrusiruやGammaなど)に入れる
- デザインにこだわりすぎない(余計時間がかかる)
- 構成のプロンプトは最初は目次など簡単なものから入力し、2~3度AIに修正依頼する
- プロンプト入力の手間を省くために出典資料・教科書・前年度スライドなどのテキストデータ(Wordなどの文章データ)を準備する
ChatGPT × lrusiru でスライドを自動生成した使用感
今回はAIを2種類使ってスライドを作成してみます。病棟目標に対する上半期の報告会スライドを作ってもらいました。
ChatGPTでスライドの構成を作る
ChatGPTのプロンプト(AIへの指示)に報告会の目次もしくは要点を入力します。プロンプトに入れる情報が具体的で多いほど質の高い回答が得られるので、病棟目標・計画・実施内容・結果の数字など今ある情報を全部入力しました。
できあがった構成の質は悪くはありません。全部で12項目、最後はちゃんと「謝辞」のスライドもありました。
上半期の評価と課題を考えたかったので、AIにも意見を聞いてみます。AIはアイディア出しも手伝ってくれるので、ちょっと物足りない時は質問を追加してブラッシュアップすると、使い手の好みや傾向を学習してだんだん質の高い回答をしてくれるようになります。
具体的な提案をお願いしたところ、スライド11についての提案を追加してくれました。
このような作業を繰り返して、勉強会や報告会のスライド構成の内容を詳しく作り上げていくことがコツです。構成はこの時点でAIを使ってかなり詳しく作りこんでおくほうが最終的に時短になります。
lrusiruでスライドを自動作成する
次にChatGPTが作ってくれた構成を使ってスライド作成AIのlrusiruでスライドを作成します。ChatGPTの構成をコピーしてIrusuruのプロンプトに張り付けます。するとできあがったのはこのスライド達です。1分くらいで作ってくれました。
例えば「計画」のページは、数字がちょっとおかしいので修正が必要です。でもおおむね完成ですね。
「結果」のページは上手く4分割されて一番上の要約もAIが勝手に追加してくれました。改行などなかみの修正は自由にできます。
デザイン・色・写真は1枚ずつ変更することができます。例えば「結果」のページであれば以下のように複数のデザイン候補を出してくれます。
できあがったものはPDFやpptデータに書き出しできますが、この書き出しが有料になります。
AIが得意そうなテーマ
- Web上に情報が豊富にある内容
- 図解で説明可能な講義(危機理論やマズローのニード欲求など図は一瞬で作成)
- 各種オリエンテーション
- 簡単な勉強会・報告会
ChatGPTもlrusiruも両方無料で使用できます。Irusiruはスライドをpptデータに出力する機能は有料です。有料版は現在2週間無料トライアルできます。詳しい使い方はIrusiruのホームページかlrusiruのYoutube(約10分視聴)で確認してください。
Windows Copilot PCを使う
今のPCにMicrosoftのAI Copilotを入れるか、2024年6月発売のCopilotPC(PC自体にAI搭載のためオフラインでAIが使える)を使うと、文章生成AIとスライド作成AIをWeb上でそれぞれ使い分けなくてもPC一つで全てのことができます。イメージをつかむためにYoutubeリンクPIVOTチャンネルを貼っておきます。10分くらいからPowerPointです。
教育機関で講義する場合
現時点で、学生用の講義には構成を考えるAIは活用できますがスライド生成AIはお勧めしません。学生向けの長時間講義はボリュームが多く初学者用の説明や工夫が必要なので、AIが簡単に自動生成できるレベルに達していない印象です。4講義試してみましたが自動生成できても修正部分が多く逆に手間がかかるので、PowerPointを使いこなす方が時短かもしれません。またスライド生成AIは図解に強いのでアセスメントが必要な講義には使いづらいです。しかしプロンプトに何を入れるかにより完成度は大きく違いますので、使い手の能力次第で仕事効率化に大きな差がでることは言わずと知れた実感です。今から使いこなしておくと将来役立つと思われます。
みなさんの仕事がもっと時短できて、本来の患者看護スキルや教育スキルに時間をさけたらいいな~と願っています。
\ PC苦手さん用 /